こんにちは、タクヤンです。
今回お話しするのは
ノルウェー連続テロ事件
ウトヤ島銃乱射事件
です。
映画化もしており、日本でもかなり有名なテロ事件で管理人も名前なら聞いたことがあります。
ノルウェー連続テロ事件とは?
ノルウェー連続テロ事件とは2011年7月22日にノルウェーの首都のオスロ政府庁舎で発生した爆破事件とウトヤ島銃乱射事件を合わせた事件。
爆破事件で8人が亡くなる事件となり、ウトヤ島銃乱射事件の69人の犠牲者と合わせて77人の犠牲者を生み出したノルウェー国内では第二次世界大戦以降最悪な大量殺人事件のこと。
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ウトヤ島銃乱射事件とは?
ウトヤ島銃乱射事件は7月22日に起きた人類史上最悪な殺人事件。
犯人に共犯者は確認されておらず、単独犯であると確認されている。
この事件は1982年に韓国の禹 範坤(ウ・ポムゴン)で発生した事件を追い抜き、世界で一番の短時間大量殺人になる。
犠牲者には王太子妃の義兄もいて、元首相の「グロ・ハーレム・ブルントラント」も狙われた。
犯人「アンネシュ・ベーリング・ブレイビク」と犯行理由
犯人の名前は「アンネシュ・ベーリング・ブレイビク」(当時32歳)。
極右思想を持ったキリスト教原理主義者
「クリスチャン・シオニズム」という思想を支持し、イスラム教・移民・多文化主義・マルクス主義などを憎悪していて、移民受け入れを援助するノルウェーを否定していた。
高校時代は成績が良く、いじめの被害者をよく助けるなど表向きは模範的な生徒。
その後は非行グループに入ったり、株式投資で3000万以上を失っている。
21歳の時に移民労働者とともに働いたがその時は中東・南アジア出身者に対して苛立ちを見せることも多かった。
20~25歳の時には移民政策に反対派の進歩党党員として所属していたが「生ぬるい」と不満を漏らしていた。
そして30歳の時には極右サイトの会員になるが、表向きは一般的なノルウェー人として振舞い、反移民・反イスラーム主義とは周囲に漏らすことはなかった。
そして同年の秋から移民推進の労働党へのテロ計画を企てることになった。
犯行理由は「イスラムによる乗っ取りから西欧を守るため」であり、「反多社会主義革命」に火をつけることと証言している。
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犯行の準備
2009年の秋にブレイビクは爆弾を作るために爆薬や化学肥料を手に入れるために鉱山会社と農場を購入しネオナチサイトを通して自動車爆弾の製造方法を調べていた。
そして2011年の5月には爆弾の材料の肥料を6tを購入し、80日かけて爆弾を製造。
正直この時点でこのまま農場で生活を送れば悠々自適な生活もできたでしょうが、彼は犯行の為にこの才能を間違えてしまった。
ノルウェーでは余暇に行う狩猟や射撃のための銃所持は認められていたのでブレイビクは「拳銃」と「自動式ライフル銃」は所持していた。
2011年7月17日にTwitterに犯行決意を書き込み、22日には1514ページにも及ぶ文書をネットに公開。
自分をテンプル騎士団と自称して殉死作戦を書き連ねている。
庁舎爆破事件
事件発生時のノルウェー市内
彼は自作した爆弾を車に積んで警備会社の社員の恰好をして政府庁舎前に車を止めた。
当時庁舎は警備員もいず、だれでも政府関係者に会いに行け、誰でも市政に関われるという点が仇になったという訳です。
そして3時22分に車が爆発し、死者が8名の200名以上の死傷者が出ました。
ですが、犯人にとってこの爆発は単なる陽動でしかなく本命はウトヤ島。
この陽動は成功してしまい犯人はすんなりとウトヤ島に向かっていきました。
ウトヤ島銃乱射
そして、人類史上最悪な事件の1つのウトヤ島銃乱射事件。
犯人は爆破事件の後にこの島に警察官と偽って潜入。
島に到着した彼は「爆破事件の犯人がこの辺に潜伏している」と嘘の説明をしたが、説明を受けていた一人は「警察の装備にしてはおかしくないか?」と怪しんでいた。
しかし次の瞬間には発砲事件が起き、島は地獄の孤島と化していった。
いきなり発砲され、犯人が一人なのか?複数犯なのか?それすらもわからない状況で、島にいた人たちは逃げ惑うしかなかった。
そして事件発生時は7月とはいえ湖の温度は1桁で対岸まで短くても600m以上、その状況で着衣水泳を行えば対岸にたどり着く前に最悪死亡します。
ボートで脱出できた方もいますが、脱出できたのは少数で、島には最終的に数多くの人が取り残され逃げ惑うしかなかった。
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遅れた救援
この時、実は地元警察はウトヤ島で事件が発生し、現場への到着には事件の通報後約1時間も要していた。
理由は
- 「準備する間がなかった」
- 「SWATへの出動要請で待っていた。」
- 「島の状況を把握していなかった」
- 「電話回線が同時に2つまでしかつながらなかった」
また、島に上陸するためのボートなどもなかなか見つからず、ようやく用意できたのは状態も悪く、小さなボート。
装備も人員もボートの定員超過をしていたがそのまま使用。
オスロ警察も近郊の町から持ってきたボートで上陸。
「ヘリで運べよ」
まさにこの言葉。
映画でもドラマでも特殊部隊などはヘリで輸送される場面も多く、実際こういった島でもヘリでの輸送は便利なもの。
しかしこの時の警察のヘリは「1機」しかありませんでした。
さらに、このヘリは「人員輸送用ヘリ」ではなく「観測機器を装備したヘリ」であり、人員輸送ヘリは陸軍が所有していました。
また、この時期はいわゆる「ヘリコプターの夏休み」で「搭乗員や技術者」がいません。
そのため、通報を受けてもすぐに対応できなかったといわれています。
Utøya island attack: the only police helicopter grounded by budget constraints – The Aviationist
犯人の逮捕と裁判
警察の上陸後2分で犯人は逮捕された。
当初犯人には大量の弾丸が残っており、抵抗が予想されていた。
しかし犯人は逮捕直前に警察に投降すると電話しており、逮捕の際には一切の抵抗がなかった。
理由は警察と戦わずに生き延びて裁判で自分の信条を法廷で訴えるのが目的とされてる。
(殉死の意味をもう一度調べてこい。)
そして裁判はノルウェー国民の知る権利から公開される予定だったが法廷で思想が宣伝されるのではという懸念から裁判も非公開で、犯人へのインタビューも行われなかった。
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事件の影響
裁判当初は犯行は認めたが有罪になるほどではないと主張。
精神鑑定医が36時間にも及ぶ面会の末、
「犯人は事件当時も現在も妄想の中にいる。責任能力がない」
と判断された。
当然遺族側はこれに反発。
その後は再鑑定され、結果として犯人は「最低禁固10年」~「最長禁固21年」という罪に対してあまりにも短い刑罰しか与えるしかできなかった。
分かりますか?
77人の罪のない命を奪っておきながら短くても10年で社会に復帰することが出来る・・・・。
とはいってもこれは当時のノルウェーには死刑制度や無期刑が人道的観点から廃止されていたが裏目に出たもの。
この結果を受けてノルウェーでは死刑制度の復活と無期刑の導入が呼び込まれた。
しかしこれをやってしまうと犯人の思う壺なのでは?という声も大きく、現状維持になってしまい、犯人は最高刑21年の禁固を言い渡された。
反省の色が見れない犯人
もちろん犯人が反省すれば多少なりとも社会的には好印象を与えられるかもしれないが、残念なことにこの犯人は全く反省していないようにしか見えない。
そもそもノルウェーの刑務所は豪華で対偶も他の国に比べれば比較にならないほど。
IKEAの家具が並んだり、囚人は下手をすればそこらの一般市民よりもいい生活を送れるというもの。
これは一例だがこんな刑務所
しかし犯人はこの対偶に不満を出し、「playstation2 からplaystation3に変更して面白いゲームソフトも与えろ」と待遇の改善を要求していた。
「俺は他の受刑者よりも模範的な受刑者だ。厳しく管理されているのならその埋め合わせぐらい要求するのは当たり前の権利」
というのが彼の理由。
このほかにも
- 「切手代が高い。給付金を上げろ」
- 「イスが苦痛だからソファ」
- 「外部との連絡や日課の散歩などの条件の改善」
など様々なことを要求している。
2017年には理由は不明だが、名前の改名も行っている。
同様の事件が2019年にニュージーランドで発生
そして、この記事を作成している最中にニュージーランドでモスクが襲撃されるという事件がありました。
犯人はオーストラリア人の「ブレントン・タラントン」で5分間に渡る銃撃を行い、5月3日には51人の死亡者が出る大惨事となった。
この事件で逮捕された犯人4人?全員がアンネシュ・ブレイビクの思想に影響されて、「移民排斥」、「白人至上主義」を掲げていた。
正直この思想を持つこと自体は個人の自由なので特に厳しく非難はしませんが、このように暴力に頼った時点でこの犯人たちの主張は一切の説得力を持ちません。
終わりに
移民政策は色々な問題点があります。
管理人も不安はありますし、世界を見てみれば移民問題で暴動が起きたり移民が犯罪を犯したりといったニュースも聞きます。
だからといってその反対を訴えるのに暴力を使った時点で「訴え」ではなく「テロ」です。
管理人はこの問題は簡単に解決できないと思っていますし複数人の人間が発言しても簡単に変えれるとは思いませんが、こういったテロ行為は絶対に容認しません。