今回お話するのは
イギリスの未成年犯罪
ジェームズ・バルガー事件
です。
本当にこんな事件が起きたのがと考えるのが怖いところ。
ジェームズ・バルガー事件
ジェームズ・バルガー事件とは1993年にイギリスで発生した事件。
当時2歳の「ジェームズ・バルガー」君が誘拐され、そして惨殺された猟奇殺人。
イギリス全土に影響を与えた事件だが、とりわけ衝撃を与えたのが、2人の犯人が当時10歳の少年であったことである。
そして、少年に対する寛容と捉えるべきなのか、甘いと捉えるべきなのか。
犯人はプライバシーを保護され、別の名前を与えられ、新しい人生を送り、2010年に再逮捕されるという胸糞な事件でもある。
- 死亡者: 1名(当時2歳)
- 犯人: 2名(両名当時10歳)
- 判決: 懲役15年(後に8年に短縮)
2人の子供が犯人
このバルガー事件では2人の10歳の犯人が関与している。
- ロバート・トンプソン
- ジョン・ヴェナブルズ
彼らの育った家庭環境は悲惨であった。
ロバート・トンプソン | 7人兄弟の末子。 未婚でもあった母親と、父親の2名は重度のアルコール依存症。 父親は子供と妻に性的暴行を加え、児童保護施設に収容されたりもした。 そして、自宅は事件の1週間前に全焼し、一時期里子に出されたロバートが戻って来た時には母親は自殺未遂を起こしていた。 |
ジョン・ヴェナブルズ | 両親は離婚し、母親は病(うつ病兆候から自殺の危険性)に罹っていた。 ジョン本人は活発であり、学校では他児童と殴り合いによる喧嘩。 学級内で孤立し、頭を壁に何度も打ち付ける癖があった。 |
こういった家庭環境が酌量の余地にはならなかったが、付け加えておく。
また、彼らの母親は事件後マスコミから集中攻撃を喰らうなど、被害は拡大していた。
事件の一連の流れ
バルガー事件は1993年2月12日に、学校を無断欠席した2人はリバプールのショッピングセンターに訪れた。
そこの食肉店で買い物をしていた母親と、店外で待つバルガー君をショッピングモールの外へ連れ出して誘拐。
この間はわずか数分間であり、警備カメラにも一応の映像は残っていた。
ただ、母親が気が付いた時には既に3人の姿はなく、警備員に相談もしたが、被害は防げなかった。
ジェームズ・バルガー君の殺害
ショッピングモールから約4㎞程の人気のない水路で、バルガー君を頭から突き落とした。
その後、青い塗料を顔にかけ、鉄の棒やレンガや石で殴打し虐待。
さらに、バルガー君の口に乾電池を押し込み、殺害した。(調べではお尻にもいくつか乾電池を押し込んでいた可能性がある。)
直接の死因は10㎏ある鉄の棒を二人が落とし、頭部に直撃したことによる頭がい骨骨折である。
この考えられないような残虐な犯行をしたのは、当時10歳児。
日本でいうところの小学生4~5年生ぐらいの子たちである。
信じられないと思うでしょうが、事実、2人の子供が1人の2歳の子供を殺害。
遺体を事故死に偽装
そして、殺害したバルガー君の遺体を二人は線路に横たえた。
事件発覚を恐れたのか、はたまた別の目的があったのか。
前者の意図が強いが、2人は遺体の頭部をがれきで固定。
列車が遺体を撥ねれば、事故として扱われると考えたのか。
結果として、列車はバルガー君の遺体に気が付かず、事件から2日後に上半身と下半身が切断された状態で彼の遺体は発見された。
事件後の裁判
当然2人は逮捕されたが、こんな凶悪な事件を引き起こしたのが未成年。
ましてや10歳の少年であったという事もあり、報道も過熱。
報道規制がしかれ、「少年A」と「少年B」と表記。
だが、世間の関心や要求を鑑みて、
- 両名の顔写真
- 経歴
- 本名
の公開を許可し、裁判が始まった。
ちなみに、イギリスでは10歳でも殺人罪では成人と同じように裁かれる。
裁判では無期懲役が要求されたが、結果
最低8年(後に15年)
の判決が下された。
裁判後の動き
裁判後、加害少年の家族たちは自治体の支援もあったが、転居を余儀なくされた。
2人の少年に関しては、15年の懲役であったが、1999年に弁護人と欧州人権裁判所の働き掛けもあり、2000年に懲役が8年に戻された。
この時弁護人は
と主張している。
納得できるかといわれたら、答えは「No」だが、2001年に2人は「社会に脅威を与えることはない」と判断され、8年の懲役を終えて釈放された。
その際、2人には
- 2人の新しい身分(名前)
- 社会保険番号
- 出生証明
- パスポート
- 人生の構築に関する費用(4億ポンド)
が支払われている。
2010年 犯人の1人が再逮捕
ロバート・トンプソンの方は詳しい消息は不明だが、ヘロイン使用、万引きで逮捕はされているが、特に大きな問題を起こすことなく生活をしている。
問題は、ジョン・ヴェナブレスの方であった。
この男は
- 2008年にコカイン所持と喧嘩で逮捕
- 2010年に児童ポルノ写真所持により逮捕
- 2013年に仮釈放で身分を再び変える
- 2017年に再度児童ポルノ関連で逮捕
という、どの部分が「社会に危害は与えない」と判断されたのか。
刑務所に戻り、24時間の監視付きで隔離されている。
「身分を変えたからといって更生しているわけじゃないことがこれでよくわかっただろ」
「こんな奴のために市民の税金を使うな!」
「だから最初からこんな奴、釈放されるべきじゃないんだ」
「加害者を守る法律なんていらない。変えるべきだ」
と、ニュースを知った人も怒りの声を上げている。
まとめ: ジェームズ・バルガー事件
今回はイギリスで発生した凶悪事件。
ジェームズ・バルガー事件について紹介させていただきました。
日本でも起きますが、やはり未成年犯罪にはもっと厳しくすべきではないのか。
確かに今回は、2人のうち1人の方がかなり酷いが、裁判所の判断が間違っていたとしか言いようがない。
釈放後の再逮捕に対し、イギリスの法務省はコメントをしていない。
後からならいくらでも言えるというのは承知だが、こうなることは事前に予測できたのではないのだろうか・・・・・。
という訳で今回のまとめ
- ジェームズ・バルガー事件は1993年に発生した殺人事件
- 被害者は当時2歳のジェームズ・バルガー君
- 犯人は当時10歳の少年2人
- 虐待死させ、その遺体を列車に損壊させる偽装行為も
- 未成年という事もあり、懲役は8年に
- 釈放後、1人は多少の問題は起こしつつも普通に生活
- 1人は児童ポルノで2度の逮捕をされている
なぜ成人と同じように裁かれなければならないのか、自分で理解できる程成長しておらず、裁判も更生ではなかった